2019年4月3日水曜日

第13回『「立ち方」について①』

今回は「立ち方」について。

ダンサーにとって「立ち方」は重要な課題だ。自分も現在の「立ち方」を確立するのに10年以上かかった。大きく変えただけでも3回は変えたし小さなものを含めると数えきれない。

大きく変わった1回目は大学4年生の時だった。その時は特別意識して立ち方を変えようとした訳ではなかったのだが、他大学の学連ファイナリストのライバルOに「坂本さ、立ち方変えたでしょ?」って言われハッとした。

当時、コーチャーのM先生がCDを変えるときのオーディオの前に立っている時の姿、とりわけ丹田の位置がやたらカッコよく見えて密かに研究して真似していたからだ。丹田を引き上げ、丹田の中にある風船を膨らませるイメージでやや丹田に力を入れ腹圧を強める。

ダンスではなく普段の生活で意識してるうちに「立ち方」が変わっていたのだがダンスにもそれが出ていて、後輩が撮ってくれた自分の踊っている動画を見た時にチャチャチャのキューバンブレイクで開く時の腰の運びが力強く素早くなっているのを感じたのを覚えてる。


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「立ち方」を変えた2回目はプロになって34年目の時。この時は自ら「立ち方」を変えた。

当時は朝から夜まで生徒さんのレッスンがびっしり詰まっていて、一番忙しい日なんかはスタジオ営業の前後にそれぞれプロを23組ほどレッスンしていたから朝10時から夜11時まで全く休みナシの13時間連続でレッスンした事もあった。
しかも1レッスン30分のスタジオだったから(最近では1レッスン25分のスタジオがほとんどだが)前のレッスンと次のレッスンの間に全く合間がなかった。むしろレッスンが終わってチケットを頂いて生徒さんと次のスケジュールの打ち合わせをしたらあっと言う間に23分は経ち、途中お手洗いに行こうものなら56分はすぐ経ってしまうからどんなに頑張っても夜の生徒さんのレッスンは大抵10分から15分推してしまう。

まさに分刻みのスケジュールとはこの事で、当時生徒さんもそれをわかってくれてたからレッスン開始時間の遅れには寛大に接してもらえた。


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さて前置きが長くなってしまったが、そんなハードスケジュールの他にプラスして自分の練習を23時間やる毎日だったから、5メートル歩くのに1分かかるような大きなギックリ腰を何回かやった。ギックリ腰をやる時は大抵、前日は深夜12時くらいまで絶好調に練習していて、次の日の朝目が覚めると布団から立ち上がる事が出来ない、という感じだった。


そんなギックリ腰を繰り返していたある日、さすがにこれではいけないと思い「立ち方」を研究した。


自分は反り腰気味だから踊る時どうしても腰に負担がかかりやすかった。ただし反り腰は決して悪い面だけではなく、背中からヒップのラインがキレイに見えるという良い面もある。ダンサーを数多く施術していた整体師の先生Jにも施術中「坂本君は背中のラインがキレイだねー」と良く言われていた。


数日間、背骨の湾曲を研究し色々試した結果、背中のラインは今のラインを維持しつつ第3腰椎辺りから仙骨までをやや後ろ上方へ引き上げるようにした。そうすると腰に芯が入り棚が出来たような感覚になって腰が安定した。大きなギックリ腰もそれ以降はほほとんどなくなった。


「立ち方」は背骨の湾曲と軸の意識が大切なんだと気づいた時期だった。



そして最後に3回目の変化についてだが、これは現在ある程度確立した自分の考える「立ち方」につながっているので次回「立ち方について②」で改めて書こうと思う。


『第13回ダンスのキセキ「立ち方について①」』

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