2018年3月30日金曜日

第8回『夢とロマン』


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先日、幕張メッセで行われたスーパージャパンカップ競技会でセグエ選手権ならびプロフェッショナル・アマチュア選抜選手権の審査員を務めさせて頂いた。


このスーパージャパンカップは毎年3月に開催される日本ボールルームダンス連盟(JBDF)が主催する3大競技会の一つで、今年も日本全国から選抜された選りすぐりの選手らによって2日間に渡って熱戦が繰り広げられた。


いよいよ準決勝が始まるぞというその前に、勝ち残った選手達によるオープニングパレードと選手宣誓、会長あいさつのセレモニーがあるのだが、その場面での日本ボールルームダンス連盟稲川素子会長の素敵な言葉が心に響いた。


「選手の皆さん、どうか本日この会場にお越し下さったお客様に夢とロマンを与えて下さい。そしてこの会場を夢とロマンでいっぱいにして下さい。」


「夢とロマン」素敵な言葉だ。


一見キザっぽくも聞こえるこの言葉をごくごく自然にそして素敵に言えるのは、芸能事務所を長年なさっておりエンターテイメントに意識の高い稲川素子会長だからこそと思えた。


「夢とロマン」があるから人は努力し見る人を惹きつける。


ダンスには「夢とロマン」があるのだ。(下につづく)


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「夢」と言えば自分の10代の頃の夢は漫画家になる事だった。


高校生の時に某雑誌の漫画大賞で最終選考4作品に選ばれた事があるくらいだからそれなりに本気の「夢」だった。


それがひょんな事に第1回目でも書いたようにプロのダンサーになったのだから不思議な運命だ。


そういえば舞研に入った大学1年生の時、ダンス界の重鎮だった故浜田先生に「彼は形(シェイプ)を視覚で捉えて踊ることに長けている。」と夏合宿の最終日に褒めて頂いた事があった。


自分では無意識であったが、漫画を書く時の物の形や人物の姿・表情など目で見て形を捉えるクセが自然と身についていたからなのだろう。


ダンスのレッスンでもドニーバーンズは踊って見せてその動きを隣で見てマネするという要素が強かった。


コーチャーが踊って見せて生徒がそれを見てすぐ同じ動きが出来ればレッスンに言葉はいらないのだ。


大概はそういかないから、今度はコーチャーは言葉を使って自分が伝えたいニュアンスを理解してもらおうとするのだが、これがまた誤解して伝わってしまうことがよく起きる。


「もっと速く!」と言っても単に「スピードを速く」なのか「タイミングを速く」なのかで意味合いが違ってくるし、部位に関しても「背骨の移動」なのか「アームの使い方」なのか「フット」なのか、「フット」は「膝下の部分?」「膝?」「太もも?」「股関節?」etc...と無限だ。


結局細かなニュアンスやフィーリングは言葉だけでは伝わらず動きを見てみないとわからない。


 「目で見て覚える」


訓練でその精度も上がるし自然と出来るようになる。

(第8回 ダンスのキセキ『夢とロマン』)


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