2017年1月10日火曜日

第5回『元日のレッスン』


年が明けて新年が始まった。


ダンサーは休日が少なく、特に連休は自分の場合、基本お盆と年末年始だけである。


その貴重な年末年始の連休の1月1日まさに元日に、コーチャーのレッスンを受けに行った事が選手時代にある。


そもそも元日にレッスンをしてくれるコーチャーも珍しくレッスンする方の先生も大変である。


自分も年始くらいはゆっくりしようと思っていたのだが「元日レッスンするから来なさい。」とO先生の方から声をかけてもらったので、一瞬迷ったがせっかくなので頑張ってレッスンに行く事にした。


前日の大晦日はお酒もほどほどにして、翌日新年のご挨拶の菓子折りを持って午前10時にレッスンに伺い、いつも通り熱いレッスンをして頂いた。


レッスンの帰り際は新年いち早く踊り始めを出来た充実感で、すがすがしい気分だった。


行ってよかったと思った。


元日のレッスンだから何か特別なレッスンをした訳ではない。


それを期待して読んで頂いた方には申し訳ないが、このいつもと変わらないレッスンを元日にした事が貴重な経験だったしこれが大事なのだ。


そもそもすぐ後にUK選手権を含めた渡英が控えていたから選手時代は毎年ゆっくり正月気分を味わえるような感じではなかった。


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自分の場合は、航空チケットが安くなる1月7日以降に日本を発ち、それから月末まで約3週間ロンドンでダンスのレッスンと練習をしUK選手権が終わって帰ってくるのが毎年のスケジュールだった。


そしてロンドンから帰ってきたら2月から日本で競技会が始まる。


2月から続く競技会で良い結果を出すか否かは、年末年始の練習、いや本当はもっと前の11月、12月をいかに充実した練習にするかにかかっている。


理由は、競技ダンスの世界では結果が出るのは早くても3ヵ月、普通は6ヵ月くらいかかるからだ。


テストならば一夜漬けが功を奏する事もあるだろうが、ダンスで一夜漬けはまずありえない。


むしろ一夜漬けなんてすると当日のパフォーマンスに悪い影響しかないだろう。


ダンスは、脳ミソで覚えた事を、考えずとも自然と身体が動くようになる所まで持っていかないといけない。


つまり、この脳ミソと身体の各パーツが神経で繋がるまでに早くても3ヵ月から半年かかるのだ。


有識化したものを無意識化するまでには時間がかかるのである。


2017年今年前期の成績は、2016年昨年の後期どんな練習をしたかで実はもう決まっている。2017年後期の成績は2017年前期の練習にかかっている。


そう思って選手の皆さんには毎日毎日の練習を大切に頑張って欲しい。

(第5回  ダンスのキセキ)


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