今回はやや専門的な話。
パフォーマンスと血糖値の関係について。
自分は現役時代、大事なコンペの10日くらい前から「甘いもの」抜きをしていた。
それを言うと「ダイエットの為ですか?」とか「身体を絞る為ですよね?」とかよく言われたのだが実はそういう事ではない。
そもそもダンサーは普通に毎日真面目に練習してスタジオ勤務してるとまず太る事はない。
「甘いもの」抜きの理由は血糖値を上げないようにする為だ。
日々の生活で極力血糖値を上げないようにしてダンスのパフォーマンスを上げる。
実はパフォーマンスはこの血糖値と密接な関係がある。
原理はこうだ。
甘いもの(糖)を身体に入れると血糖値が上がる。
血糖値が上がると短期的にはパフォーマンスは上がる。
身体に力が入るし頭も冴える。
TVなどで朝チョコレートを1口食べましょうとか朝バナナを食べましょうなどと言ってるのはこの為だ。
しかしこの上がった血糖値、一度上がったら下がる時がくるのが世の常。
2〜3時間もすれば血糖値は下がり始める。
この血糖値が下がってきた時がクセモノで、身体が重くなってバテを感じたり、集中力が切れたり、痛みを感じやすくなりケガもしやすくなる。
だから血糖値を上げないようにしてなるべく一定に保つ方がコンペで決勝までパフォーマンスを落とさず長時間踊り切るには一番いいのだ。
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この「甘いもの」というのはデザートなどの砂糖にとどまらず、果物の果糖、お米などいわゆる「糖質」全般の事を指す。
スポーツドリンクなんかも結構「糖」が入っているので飲まないようにして水と塩(岩塩)にする。
「お米も?」と思われるかも知れないが実はお米はGI値という値が高く血糖値の上がりやすい食物なのだ。
お米の代わりに基本はパスタを食べる。
パスタはGI値が低く血糖値を上げないようにするには一番いい食材であり、甘いソースを使わずかつニンニクパワーを得られるペペロンチーノが一番いい。
とは言っても毎日3食〜4食パスタを食べるのは結構苦労した。
お米中心の食文化の日本では近所のイタリアンと言っても結構お店が限られるし深夜練習後なんかはファミレスかコンビニくらいになるし何より自分はお米が好きだから辛かった。
そんな苦労をしながら血糖値をコントロールして大事なコンペに向けて身体のコンディションを整え、コンペ当日、自分は朝から一切食べず、水と塩だけにしてコンペに臨んでいた。
朝の9時にコンペが始まり夜7時、30曲近く踊ってても全くバテを感じないし、しかも面白いことにコンペ後半になればなるほど身体が軽くなり集中力も増す。
この不思議な感覚は実際に体験した人にしかわからないだろうが、通常コンペ後半になると疲れが出てくるのとは逆の現象が起こるのだ。
コンペ後半になってもバテず、集中力もきれない訳だから、わずかな勝敗を左右するような時にこの「糖質抜き」は力を発揮する。
アスリートはみんなそれぞれ自分に合ったコンディションの整え方をしてると思うが、私の場合はこの「糖質抜き」が一番効果を感じられた。
因みに私はこの「糖質抜き」を最長3カ月間やった事があり、パートナーの亜也子先生に至っては2年間、お米などの糖質を一切抜いていた。
長く糖質を抜いた身体になると味覚が鋭くなり野菜など素材の素朴な味をより一層強く感じられるようになるし、逆に調味料などの過度な味つけは濃く感じて受け付けなくなる。
それでも長く糖質抜きをしてると時々脳みそが甘いものの美味しさを覚えててケーキやお米を食べたくなる時がある。
そしてその欲望を抑えられずケーキやお米などをいきなりたくさん食べると身体が糖を受け付ける事が出来ず結構な確率で次の日熱が出る。
慣れとは怖いものだ。
人間の身体は実に奥が深くて面白い。
『第12回ダンスのキセキ「パフォーマンスと血糖値の話」』
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